1965年の第44回凱旋門賞にはフランス調教の英ダービー馬シーバード、仏ダービー馬レリアンス、イギリス調教の愛ダービー馬メドウコート、アメリカのプリークネスS勝ち馬でケンタッキーダービー3着、ベルモントS2着のトムロルフ、ソ連ダービー馬アニリン、仏オークス馬ブラブラらの大変な強豪が揃っていた。直線で抜け出したのはシーバードで、ゴール前では外へと大きくヨレながらレリアンスに6馬身の差をつけた。今でもシーバードが歴史上最強馬だとする人はそう多く生きてはいないと思われるが、タイムフォームレート145は、フランケルが147を得るまで世界(というか欧州ね)最高だった。米国から初の遠征を敢行したトムロルフは勝ち馬から18馬身近く離された6着に終わった。この結果にダメだこりゃと思ったのかどうかは知らないが、凱旋門賞制覇をめざす米国馬はいなくなってしまった。だからといって、米国の名馬が世界一の評価を受けることがなくなったわけではない。以上のことをもちまして第101回凱旋門賞の個人的感想に替え、本題に入ります。 |
ハービンジャーGBの旬はいつかな? | ||||
馬名 | 性 | 生年 | 母の父 | 重賞勝ち |
ベルーフ | 牡 | 2012 | サンデーサイレンスUSA | 京成杯-G3(3歳1月) |
ドレッドノータス | 牡 | 2013 | サンデーサイレンスUSA | 京都2歳S-G3(2歳11月)、京都大賞典-G2(6歳10月) |
ヒーズインラブ | 牡 | 2013 | Include | ダービー卿CT-G3(5歳3月) |
プロフェット | 牡 | 2013 | タニノギムレット | 京成杯-G3(3歳1月) |
ディアドラ | 牝 | 2014 | スペシャルウィーク | 紫苑S-G3(3歳9月)、秋華賞-G1(3歳10月)、 クイーンS-G3(4歳7月)、府中牝馬S-G2(4歳10月)、 ナッソーS-G1(5歳8月) |
ペルシアンナイト | 牡 | 2014 | サンデーサイレンスUSA | アーリントンC-G3(3歳2月)、マイルチャンピオンシッ プ-G1(3歳11月) |
モズカッチャン | 牝 | 2014 | キングカメハメハ | フローラS-G2(3歳4月)、エリザベス女王杯-G1(3歳 11月) |
ノームコア | 牝 | 2015 | クロフネUSA | 紫苑S-G3(3歳9月)、ヴィクトリアマイル-G1(4歳5 月)、富士S-G3(4歳10月)、札幌記念-G2(5歳8月)、香 港カップ-G1(5歳12月) |
ハービンマオ | 牝 | 2015 | ゴールドアリュール | 関東オークス(3歳6月) |
ブラストワンピース | 牡 | 2015 | キングカメハメハ | 毎日杯-G3(3歳3月)、新潟記念-G3(3歳9月)、有馬 記念-G1(3歳12月)、札幌記念-G2(4歳8月)、AJCC -G2(5歳1月) |
サマーセント | 牝 | 2016 | サンデーサイレンスUSA | マーメイドS-G3(4歳6月) |
ニシノデイジー | 牡 | 2016 | アグネスタキオン | 札幌2歳S-G3(2歳9月)、東スポ杯2歳S-G3(2歳11月) |
ハッピーアワー | 牡 | 2016 | ディープインパクト | ファルコンS-G3(3歳3月) |
フィリアプーラ | 牝 | 2016 | サンデーサイレンスUSA | フェアリーS-G3(3歳1月) |
ナミュール | 牝 | 2019 | ダイワメジャー | チューリップ賞-G2(3歳3月) |
プレサージュリフト | 牝 | 2019 | ディープインパクト | クイーンC-G3(3歳2月) |
太字は3歳下半期 |
昨年の凱旋門賞-G1を制したドイツ馬トルカータータッソは本年3着に終わったが、1着アルピニスタのカーステン・ラウジング女史、2着ヴァデニのアガ・ハーン殿下はいずれもドイツ式系統繁殖によって所有馬を生産している。簡単にいえないことを簡単にいうと、牝系を厳格に管理することで時間をかけてその質を高める。どんな種をまいても高い成果が期待できるように畑の地力を高めるといえばいいだろうか。○スターズオンアースは祖母スタセリタFRがドイツ血統のフランス産馬で、仏オークス-G1など仏米G16勝の名牝。その産駒に優駿牝馬-G1のソウルスターリングがいる。米芝チャンピオン・スタインレンを生んだ6代母サザンシーズを経て10代母がドイツの歴史的名牝シュヴァルツゴルト。毎日王冠-G2のサリオスもその末裔にあたる。 ▲スタニングローズはバラ一族として知られる名門ローザネイ系久々の大物で、父がキングカメハメハなので、叔父のローズキングダムを母の父クロフネUSAの血によって女子力をアップした形。 もう1頭のハービンジャーGB産駒△プレサージュリフトは母がディープインパクトの初年度産駒で産駒初出走を果たしたシュプリームギフト。2歳の緑ゼッケン44番の小柄な馬だったと記憶している。こちらも秋に飛躍がありそう。 △ライラックはサンデーサイレンスUSA3×4、ノーザンテーストCAN4×4×5でキングマンボを挟んだ現代的配合のオルフェーヴル産駒で一発があるならこれ。 |
競馬ブックG1特集号「血統をよむ」2022.10.16
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