賞金世界2大レースであるペガサスワールドカップ招待Sとドバイワールドカップはともに2000m戦であり、ワールドベストレースホースランキングでおなじみのIFHA(国際競馬統括機関連盟)が発表した「2016トップ100G1レース」の上位5レースはブリーダーズカップクラシック-G1(最終レーティング125.25)、愛チャンピオンS-G1(124.75)、パシフィッククラシック-G1(124.75)、コックスプレート-G1(124.75)、英チャンピオンS-G1(124.00)とすべて2000m(あるいは大体2000m)戦が並んだ。日本でも、一番長い距離のG1からもっとも短い距離のG1を引くと3200−1200=2000となるのでこれが距離体系の中央にあるわけだが、2000mの古馬G1となると長く天皇賞(秋)-G1しかなかった。何はともあれ待望の昇格といえる。 |
芝2000mの重賞勝ちランキング (2010.1.5〜2017.3.26) | |||||||||
順位 | 種牡馬名 | 生年 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 | 勝率 | 連対率 | 3着率 |
1 | ディープインパクト | 2002 | 38 | 29 | 24 | 188 | 0.136 | 0.240 | 0.326 |
2 | キングカメハメハ | 2001 | 20 | 10 | 18 | 127 | 0.114 | 0.171 | 0.274 |
3 | ステイゴールド | 1994 | 10 | 11 | 10 | 110 | 0.070 | 0.148 | 0.219 |
4 | マンハッタンカフェ | 1998 | 8 | 12 | 7 | 112 | 0.057 | 0.143 | 0.194 |
5 | ハーツクライ | 2001 | 7 | 8 | 9 | 83 | 0.065 | 0.140 | 0.224 |
5 | ジャングルポケット | 1998 | 7 | 4 | 7 | 68 | 0.081 | 0.127 | 0.209 |
7 | ゼンノロブロイ | 2000 | 6 | 7 | 7 | 70 | 0.066 | 0.144 | 0.222 |
8 | ネオユニヴァース | 2000 | 5 | 5 | 1 | 53 | 0.078 | 0.156 | 0.171 |
8 | シンボリクリスエスUSA | 1999 | 5 | 3 | 5 | 64 | 0.064 | 0.103 | 0.168 |
10 | スペシャルウィーク | 1995 | 4 | 0 | 4 | 38 | 0.086 | 0.086 | 0.173 |
11 | フジキセキ | 1992 | 3 | 3 | 3 | 38 | 0.063 | 0.127 | 0.191 |
12 | ハービンジャーGB | 2006 | 3 | 2 | 0 | 20 | 0.120 | 0.200 | 0.200 |
13 | ゴールドヘイロー | 1997 | 3 | 0 | 0 | 8 | 0.272 | 0.272 | 0.272 |
14 | アグネスタキオン | 1998 | 2 | 7 | 4 | 51 | 0.031 | 0.140 | 0.203 |
15 | ダンスインザダーク | 1993 | 2 | 6 | 1 | 47 | 0.035 | 0.142 | 0.160 |
16 | タニノギムレット | 1999 | 2 | 2 | 2 | 36 | 0.047 | 0.095 | 0.142 |
17 | グラスワンダー | 1995 | 2 | 1 | 4 | 32 | 0.051 | 0.076 | 0.179 |
18 | Stephen Got Even | 1996 | 2 | 1 | 1 | 10 | 0.142 | 0.214 | 0.285 |
19 | キングズベストUSA | 1997 | 2 | 0 | 4 | 3 | 0.222 | 0.222 | 0.666 |
20 | ファルブラヴIRE | 1998 | 2 | 0 | 0 | 13 | 0.133 | 0.133 | 0.133 |
マルジュは英2000ギニー-G1で大敗したあと英ダービー-G1でジェネラスIREの2着(5馬身差)となり、中1週で臨んだマイルのセントジェームズパレスS-G1に勝った。そのままマイル路線を進んでいればといっても20数年前のことでは仕方がないが、10F路線のエクリプスS-G1、英チャンピオンS-G1と連敗して引退してしまった。産駒は名マイラー牝馬ソヴィエトソングのほか、インディジェナスIREやヴィヴァパタカ、そして○サトノクラウンとなぜか香港の名馬を多く出している。サトノクラウンの母ジョコンダ2IREはスプリンター・ロッシーニの産駒で、2歳時に愛で1マイルの準重賞に勝ち、7FのキラヴーランS-G3で3着となった。娘でサトノクラウンの全姉にあたるライトニングパールも6Fの2歳戦、チェヴァリーパークS-G1勝ち馬だが、3代母パトとマルジュの間に生まれたマイエマはヴェルメイユ賞-G1、ヨークシャーオークス-G1のG1に2勝を挙げたステイヤー。 ▲キタサンブラックはブラックタイドとディープインパクトという全兄弟の違いが、タフさという点で良い方に出た。大穴ならドリームジャーニーとオルフェーヴルが勝っているステイゴールド産駒の△アングライフェン。叔父トランセンドは6年前の今頃ドバイワールドC-G1・2着の偉業をなした。 |
競馬ブックG1増刊号「血統をよむ」2017.4.2
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