■東京12R・ジャパンC■

 ラストランを迎える3冠馬コントレイルにはデビュー以来の連勝が止まった昨年の雪辱も懸かる一戦。以後2戦を含めた3連敗をどうとらえるかだが、究極の上がりで皐月賞馬に迫った前走を見る限り、ピークアウトの心配は無用だろう。グレード制導入後の3冠馬は例外なく後に非世代限定G1を勝っており、ここはある意味で背水の陣だ。
 祖母の父ティズナウが4歳秋に空前絶後のBCクラシック連覇で有終の美を飾ったことは何度も書いてきたが、父のディープインパクトが凱旋門賞失格の汚名を返上したのも4歳時のジャパンCだった。連覇のジェンティルドンナとショウナンパンドラで計3勝というこの父は、父系祖父サンデーサイレンスと並ぶジャパンCの最多勝サイヤーでもある。産駒のダービー馬4頭出しという恐らく2度と見られないと思われる豪華布陣は、東京2400mG1における遺伝面での絶対的アドバンテージの証明。92年に同じ3冠馬シンボリフドルフ産駒のトウカイテイオーが達成して以来、今世紀初となる牡馬による「父子制覇」で究極の日本ダービー父系のバトンリレーを完成させてもらいたい。
 ダービー馬そろい踏みに割り込むとすれば外国馬。“フランケル配合”のジャパンには、その名の通り日本の馬場への適応力が見込める。ブルームの父オーストラリアの母は、15年前にディープインパクトの3着に追い込んだウィジャボード。孫世代は一歩進んで連対圏突入の可能性もある。

◎コントレイル  ○シャフリヤール  ▲ブルーム  ☆ジャパン  △マカヒキ  △ワグネリアン

「スポニチ令和3年11月28日付け掲載」

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