■東京11R・フェブラリーS■

 今回のフェブラリーSは父馬だけでなく父系祖父もすべて異なるフルゲート16頭で争われる。創設当初からダイバーシティが確保されきたダートG1ならではの血統的バトルロワイヤルだが、それゆえに重視すべきも血統面での実績だろう。
 03年の優勝馬にして種牡馬として4勝のゴールドアリュールは、4年連続出走のサンライズノヴァに加え、後継スマートファルコン産駒のオーヴェルニュがエントリー。四半世紀に及ぶレース史は、その父サンデーサイレンスのダート血脈としての原点回帰の歴史だったといえるかもしれない。ちなみに出走馬16頭中10頭は5代血統表にサンデーサイレンスの名がある。
 フェブラリーSへの特化度という点で見逃せないのがストームキャット。05年に母の父としての産駒メイショウボーラー、直子のシーキングザダイヤが変則的ワンツーを決めると、07年には後継ヘネシー産駒サンライズバッカスが優勝した。16年の覇者モーニンはヘネシー後継のヘニーヒューズ産駒で、一昨年の優勝馬インティは祖母の父の父がストームキャット。昨年のモズアスコットは母の父が前記ヘネシーだった。代を経ても影響力が目減りしない最重要血脈である。
 本命はヘニーヒューズ産駒ワイドファラオ。サンデーサイレンス後継の母の父アグネスタキオンも3年前の優勝馬ノンコノユメと共通という“リピーター配合”の威力を見直したい。「父の母の父ストームキャット」のレッドルゼルが本線。

◎ワイドファラオ  ○レッドルゼル  ▲エアスピネル  ☆カフェファラオ  △サンライズノヴァ  △アルクトス

「スポニチ令和3年2月21日付け掲載」

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