血統は語る
■京都11R・秋華賞■
3冠馬の産駒で春の2冠に優勝した馬には、91年に皐月賞とダービーを制したトウカイテイオー(父シンボリルドルフ)がいるが、同馬は骨折のため菊花賞出走はかなわなかった。つまり父子2代の3冠チャレンジは今回のジェンティルドンナが史上初ということになる。世代で突出した能力はもちろん、それを半年にわたって維持できる体力も3冠達成には不可欠の資質。現3歳世代からも有力馬のリタイアが相次いだように、今のところディープインパクト産駒の数少ない泣きどころでもあるのだが、レースレコードのオークス激走の反動を秋に引きずらなかったジェンティルドンナの場合はフィジカルの強さも一級品。蛇足ながらその要因は母のドナブリーニに潜むリファーズスペシャル、ジェニアスといった雑草型マイナー血脈にあると推察される。「3冠馬から3冠馬」という血統史に残る快挙達成を期待したい。
03年にスティルインラブの3冠を盛り上げたのは同じサンデーサイレンス産駒のアドマイヤグルーヴだった。今回もレース後に“3冠サイヤー”の血統的アドバンテージを思い知らされる可能性大で、ヴィルシーナ、ラスヴェンチュラス、キャトルフィーユのディープインパクト産駒による上位独占まで考えられる。大穴なら00年優勝のティコティコタックで実績のある「母の父ブライアンズタイム」のチェリーメドゥーサ。メイショウスザンナも秋のGTで長打を連発した父アグネスデジタルの血が怖い。
◎ジェンティルドンナ
○ヴィルシーナ
▲メイショウスザンナ
☆チェリーメドゥーサ
△キャトルフィーユ
△ラスヴェンチュラス
「スポニチ平成24年10月14日付け掲載」
[back]