■中山11R・皐月賞■

 フルゲート18頭の父馬12頭のうち、日本の競馬場で走ったことがないのはモエレエキスパートの父マジックマイルズのみだが、皐月賞出走歴のある馬となると、その数はグッと減る。03年の優勝馬ネオユニヴァース、01年の3着馬ジャングルポケット、98年の3着馬スペシャルウィークの3頭だ。他の馬は諸般の事情があったにせよ、牡馬の第1冠とは血統的成長曲線が微妙にズレているという見方もできるだろう。
 本命はくしくも父スペシャルウィークと同じ大外18番枠を引いたリーチザクラウン。ロジユニヴァースとの評価が逆転したラジオNIKKEI杯は、母の父である米3冠馬シアトルスルーのボールドルーラー系特有の直情径行気質が悪い方に出たものと解釈している。父のスペシャルウィークにしても、若駒当時から超伏兵に足をすくわれるなど、意外にポカの多いタイプでもあった。祖母の父ミスタープロスペクターを挟み、3代母の父もまたボールドルーラー系の米3冠馬セクレタリアト。ニューヨーク牝馬3冠の名牝クリスエバート(4代母)にさかのぼる牝系自体にも底知れないパワーが潜在しており、昨年の“東京2冠馬”ディープスカイ、ジャパンCのタップダンスシチーなど、この一族からは途切れることなく大物が現れている。先週のブエナビスタに続き、スペシャルウィーク豊作世代のDNAを信頼してみよう。連下の大穴候補は92年、ミホノブルボンの2着に食い込んだナリタタイセイの甥にあたるイグゼキュティヴ。

◎リーチザクラウン  ○ロジユニヴァース  ▲イグゼキュティヴ  ☆アンライバルド  △トライアンフマーチ  △ナカヤマフェスタ  △シェーンヴァルト

「スポニチ平成21年4月19日付け掲載」

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